NO.0079 2009.10.07発行
《 ワークショップから・・・ 》
前回予告させて頂いた お客様からの御注文が完成しました。
御了解を頂いたので写真を載せようと思うのですが、先ず作品に関して発想したところから始めたいと思います。
何か動きのあるペンダントがご希望でしたので、以前「オカリナ」を作らせて頂いた事もあり、オカリナを奏でる少女 と言ったイメージから入っていきました。
ここからワックスを切り出してゆきましたが今回はデッサンのイメージをそのまま表現しようと思い、かなり苦労しました。 オカリナを持つ手以外は、顔も足も表情を省き全体の持つ雰囲気を大切にする事にしました。
先ず全体に出来上がった状態のバランスを作り、その後原型を起こすために各部をばらばらに分けます。
その後必要なパーツを追加して銀でキャストして吹き上がったパーツが以下のもので、全部で8個のパーツになってしまいました。
パーツナンバーの3と4が頭部、5と6が上半身の前と後ろになります。
ここまでしないと綺麗な吹き上がりにならない事と、吹き上がりが重くなってしまいます。
これらを原型にして4〜5個のゴム型を切り、プラチナと18金でキャストをしました。
そしてプラチナのボディーには18金のオカリナ、18金のボディーにはプラチナのオカリナをそれぞれ持たせて組み上げました。
ストローハットはそれらしく、服は生地の質感に仕上げをしてアクセントにメレーダイヤを入れて完成になります。
上半身とスカートと足の部分はそれぞれ独立して揺れ動くように出来ています。
お客様から、一つの作品を作り上げるまでどのくらいの時間がかかるのかと言う質問を良く頂くのですが、御覧のように一つの仕事が終わると次の仕事に入るまでキャストなどの工程が入るために、はっきりした時間が分かりません。
特に今回の仕事はかなりな時間を費やしました。
しかも始めに想像していたよりはるかに困難な仕事になってしまいました。
とは言え、正直に言えば想像を絶するほど魅力的な時間でもありました。
こんな仕事をさせて頂けた事は感謝にたえません。
ではまた次回。