NO.0072 2009.03.04発行
《 ワークショップから・・・ 》
近頃雨の日が多く、気温も低いので何やら寒々しい雰囲気になっていますが子供の頃は(実はこの歳になっても・・・なのですが)雨そのものが結構好きでした。
学校の帰りに通りすがる公園にわざわざ寄り道をして水溜りに出来る雨の波紋をゆっくり眺めたり、部屋の窓から雨の降る町並みを眺めたりするのがとても好きでした。
今はさすがに子供たちの通学を心配したり、商売の事を心配したりで雨の日を素直に喜んでいるわけではないのですがそういった事の心配の無い日はやはり周りが艶っぽくなる様な気がします。
でもそれは、すぐに来る明るい晴れの日があるからこそその反対の日を楽しめるのでしょうね。
作品作りにも同じ事が言えます。
以前ご紹介した作品にもあったのですが綺麗な地金の色艶を、わざわざ荒らして地金の質感をコントロールした作品を作る事があります。
それはその作品が持つ雰囲気を優先する事が第一の目的なのですが貴金属が本来持っている色艶を内に秘めている事を逆に強調する事にもなっていると思って作っています。
ですから、ただ単に表面を荒らす訳ではなくやはり貴金属であるという事を表した仕上げでなくてはならないと思っています。
これはお客様からの御注文で作らせて頂いたオカリナのペンダントですが、これはまさにそんな仕上げの作品です。
作れば作るほど素朴な楽器の持つ暖かさが伝わってきて楽しい仕事でした。
今回はもう一つお客様から頂いた、リフォームの仕事の写真を載せますがどちらかと言えば地味になりがちなロードライト・ガーネットもこんな感じにすれば、ちょっとクラッシックでエレガントなものになる見本のようなリングです。
次回もリフォームの仕事の写真を少し載せる予定です。