NO.0043 2006.10.04発行

《 ワークショップから・・・ 》

昭和60年の終わりから70年前半にかけてが私にとっての青春の思い出と言う事になると思いますが、どうやらその年代が、今静かながらブームになっているようです。
 
映画や本に関して(「ALLWAYS〜三丁目の夕日」、や「東京タワー」等)もそうですし、最近、(9月23日)に嬬恋で行われた 31年ぶりの吉田拓郎のコンサートもそんな風潮を背景にしている様に思えます。
 
実は31年前に私も嬬恋のコンサートに行って居りました。(勿論今年は行っておりませんが、殆どの観客は私と同年代の50歳前後だったようです)
 
当時の憧れは、何でもかんでも アメリカ でした。
重く分厚いドアの冷蔵庫や、1リッターあたり2キロメートル程の驚異的な燃費のアメリカ車。
当時、叔父がフォードの代理店に勤めていた関係で底から沸き上がるような低音の排気音を響かせ垂れ流しの様にガソリンを消費する代わりに得た極太いトルクに物を言わせてホイールスピンをしながら走り出すマスタングなどを羨望していたのを思い出します。
 
今年、フルモデルチェンジしたフォード・マスタングがリリースされるらしく、このデザインも当時のデザインを髣髴とさせる様なデザインになっていました。
 
しかし、やはり当時の物とは似て非なる物になっています。
豊かな物に憧れ、何時かそれを手に入れられると信じて夢多かった時代。
 
今、我々が欲しいと感じているのは、この「夢多かった時代」そのものなのでしょう。 
 
当時と似たようなデザインをしても、当時の歌をまた歌ってみてもただノスタルジックになるだけで、大して満たされないのはその為でしょう。
 
夢見ていた時代そのものを懐かしむ事は理解できますし私自身もそうである事は認めますが、それは夢を見るに値する何かを見つけ出す為に努力する、或いは努力し始めるきっかけに過ぎないはずです。
 
全ては、その一点にかかっているのでしょう。
その何かが思い描ければ、かなりな問題が解決されるように思われます。

少子化や、所謂ニートの問題やそして・・・と、こういった堅苦しい事は私が話す事では
ないのでともかく、そんな何かを探し続けながら作品作りを続けていこうと改めて考えさせられました。
 
ペンダント1 ペンダント2
 
最新のペンダントのデザイン(ノスタルジックでしょうか?)