NO.0021 2004.12.01発行

《 ワークショップから・・・ 》



■庄田武之です。

とうとう12月、今年最後のメルマガになってしまいました。
今年も色々な事がありましたが、まだこの時期では一年を振り返ってみるのは、早すぎると思いますので今回撮った作品の事をお話したいと思います。

皆さんはパヴェーセッティングという事をご存知と思いますが要するにメレー・ダイヤ等を隙間無く緻密に留める、石留めの仕方をその様に言います。 

この技術はかなり古くからあるもので、オックスフォードの英英辞書にも載っています。
ですから、今になって取り沙汰するような事でもないのですが、このパヴェーセッティングをするために地金に穴を開けていると何時も思うことなのですが、丸い穴を出来る限り緻密に開けてみると六角形が形成されます。

ちょうど蜂の巣のように、円や球体を無理なく密接につなぎ合わせていくと必ず六角形が形成されるようです。

まず中心に円を一つ置きその周りに同じ大きさの円を置こうとすると六個になります。 次に六個の円の隙間を埋めるようにまた同じ円を配置してゆき、また同じ事を繰り返していくと、どこまで行っても基本的に六角形を繰り返してゆきます。

密接につなぎ合わされた円そのものも六角形になりますし、それによって出来る形も六角形になるわけです。 ・・・何をそんな当たり前の事をと言われそうですがある時、 教育テレビで銀河系の構造について扱っていた番組を見ていたのですがそれによると無数の銀河が集まって小宇宙を構成するらしいのですが、その構造がやはり蜂の巣のような形をいていました。

つまり六角形です。

雪の結晶を見てみてください。 やはり六角形を基本の形としています。

何故そうなるのか何か理由が有るのかも知れませんが私は知りません。
知りませんが、たぶん自然によって無理なく作られる形なのでしょうからそれは間違いなく美しい形なのだろうと思っています。

そんな訳で、ここの所六角形のものを作っているのですが考えてみると今始まったわけではなく、かなり前からこの形は少なからずどの作品にも使われていましたが、今回の様にそのまま六角形の作品を作ってみると、やはり改めて綺麗な形だなとつくづく思いました。

この様に、綺麗だなと思う物や形には、突き詰めてみるときっと何かがある様に思えて繰り返し作ってみようと思います。

世の中色々な事がありますが、それに目を背ける為ではなくこの様な事に常に携わっていく事で本当に大切なものが見えて来るのではないかと期待しながら何時も仕事をするように心がけています。

次回は、もう2005年になりますが、皆様にとって本当に良い年でありますように祈っております。