NO.0015 2004.05.05発行

《 ワークショップから・・・ 》

庄田武之です。

五月に入って又突然のように涼しくなってしまいました。
ゴールデンウィークには何処かお出かけになられたでしょうか?
私は相変わらず、ワークショップの中でこつこつ仕事をしておりましたが、やはり祝祭日というと仕事をしているのにもかかわらず、何と無くゆっくりしてしまうものです。


前回予告させて頂いた通り、作品の写真を少し紹介させて頂こうと思います。
まず始めの作品は、淡いグリーンの“ぺリドット”と言う石を使ったペンダントヘッドです。

ここの所この流れの作品を幾つか造り続けているのですが、何時だったかお話したアールヌーボーの頃に良く使われた植物のモチーフと言っても良いですし、やはり自然の中にこそ美しいものがあるというところから作っているものです。

特に、“ぺリドット”の綺麗な色を見ていると植物のつぼみのようなイメージが浮かんでくるものです。 こういったものを作る時、出来るだけ天地左右が非対称になるように心がけます。・・・にもかかわらず、天地左右がバランスしていなくてはなりません。

我々の目は、0.1ミリの誤差を軽く見抜く事が出来ると同時に思い込みから錯視を起こしますが、これを利用してバランスする様に頑張ってみる事が、かなり面白い所です。


次は、ピンクサファイヤのペンダントヘッドと指輪です。
ピンクサファイヤは、“コランダム”と言う鉱物でルビーやブルーサファイヤと同じ物でピンクの発色をした物を言います。どの位の色がピンクサファイヤで、どこからがルビーと呼ぶかは微妙な部分もありますが、これらの石は濃すぎず薄すぎずスッキリしたピンクの発色をしています。

ここでは石の形そのもの、ペアーシェイプ(洋梨形あるいは涙形)をそれぞれの形で重複、増幅させているだけで、石そのものを出来るだけ強調したつもりです。
形だけでなく物事を連続して繰り返すと言う事はそれだけでとても大変な事で、力になると思います。 かつて「連続する」と言う作品を作っていた事がありましたが近い内にもう少し解り易い形で又作ろうと思っています。


今度は、大好きなダイヤです。マーキース・カットのダイヤの何でも無いペンダントヘッドなのですが、こういうなんでも無い物を何でも無くサラリと見せるのは実は結構難しいもので、うまく出来るととても嬉しくなりますが、これは上手く出来たなと自分でも気に入っています。


続いてもやはりダイヤです。 「ティアラ」と呼んでいますが、かなり前に「紫陽花」と言う作品があったのですがそれと同じ作り方で、イメージを変えています。

普通、パヴェー・セッティング(メレーダイヤ等を緻密に寄せ合わせて石留めする加工)と言うとタガネを使って爪を作り、かしめて石を留めますが、ここでは指輪を作る段階で爪を玉のように作っておき、石を留めると言う方法をとっています。

こうする事で、タガネで地金を切って爪を残して作る方法とは又違った味が出てきます。

どちらが良いと言う事ではなく、これもとても好きな雰囲気のものなので違った石を使った物もまた作っていくつもりでいます。


今回使用した写真もそうなのですが、なかなか思い通りの写真が撮れずこれでも良い方なのです。 まだ数枚撮ってあるのですが、どうも気に入らないので次回に回す事にしました。 

■ 今回ご紹介している写真はこちらからご覧下さい
     ↓   ↓   ↓   ↓   ↓
  http://www.shoda-jewels.co.jp/sakuhin0405.html



次回は、あと数点の写真とサマーコレクションのお知らせになると思います。

今度こそ、ルビーの色が綺麗に出ますよに。(^^♪